CodexやClaudeを仕事で使う時間が増えると、週間利用枠の残量を見る回数も増えます。
でも、残りが何%か分かるだけでは、今日どこまで使ってよいのか判断しにくい。
週の前半に使いすぎているのか。
それとも、今の作業量なら余裕があるのか。
僕が欲しかったのは、残量を眺める画面ではなく、今日の配分を決めるための基準でした。
そこで作ったのが、macOSメニューバーアプリのQuotaTempoです。
QuotaTempoは、CodexとClaudeの週間利用枠を、次のリセットまで均等に使う場合の「現在の目標ペース」と並べます。
OpenAIやAnthropicの公式製品ではなく、僕が独立して開発しているOSSです。
2026年9月11日、署名・Apple公証済みのQuotaTempo 0.1.0 Public BetaをGitHub Releasesで公開しました。
この記事では、公開のお知らせよりも、何を見て仕事を調整するのか、どこまでをアプリに任せないのか、7日間どう試すのかを整理します。
週間残量だけでは「今日どこまで使えるか」が分からない
以前の僕は、利用枠が気になると残量を確認し、その数字だけで少し安心したり、急に作業を抑えたりしていました。
ただ、同じ残量でも意味は週のどこにいるかで変わります。
リセット直後なら、残量が多いのは自然です。
リセット直前なら、同じ残量でも使える余地が残っているかもしれない。
反対に、数字だけを見ると十分に残っているようでも、次のリセットまでの日数を考えると前倒ししすぎている場合があります。
残量は状態を示しますが、ペースまでは教えてくれません。
この違和感は、Codexを複数の仕事で使い、Claudeにもレビューや別の観点を頼むようになってから大きくなりました。
モデルを選ぶ前に、今日は重い作業をどこまで進めるかを判断したい。
そこで、週間残量をリセット時刻から逆算した目標残量と比べることにしました。
QuotaTempoは残量と現在の目標ペースを並べて見る
QuotaTempoの基本表示には、WとPがあります。
Wは、現在確認できている週間利用枠の残量Pは、次のリセットまで均等に使う場合に、今残っているとよい目標量- 矢印と
ptsは、WとPの差
たとえばWがPより上なら、均等配分より余裕があります。
下なら、ここまでの利用が目標ペースより前に進んでいる状態です。
大切なのは、矢印を命令にしないことです。
余裕があるから必ず使うわけでも、下回ったから必ず止めるわけでもありません。
締切前の実装、公開直前の確認、事故対応のように、今日使う価値が高い仕事もあります。
QuotaTempoはCodexとClaudeのどちらを使うべきか推薦せず、判断材料だけを並べます。
僕はこの表示を、速度計よりもペース表に近いものとして見ています。
数字に従うのではなく、今日の仕事と照らして配分を決めるための画面です。

Full、Compact、Icon onlyを使い分ける
メニューバーの表示はFull、Compact、Icon onlyから選べます。
Fullは、providerごとの週間残量、目標、差を一度に読みたいとき向け。
Compactは日常的に差だけを短く確認したいときに使いやすい表示です。
僕が最初に気になったのは、ノッチのあるMacではメニューバー項目が隠れやすいことでした。
そのため初期値はIcon onlyにし、起動直後は独立した案内画面が開くようにしました。
アプリを開いたのに、項目がノッチの後ろへ隠れて「何も起きなかった」と見える。
機能以前のところで止まる失敗を、最初の案内で減らすためです。

Public BetaをMacへ安全に導入する
2026年9月11日時点のPublic Betaは、Apple silicon Mac、macOS 14以降に対応しています。
Codex appまたはCLI、Claude DesktopまたはClaude Codeのうち、使いたいproviderがMac側ですでにログイン済みであることが前提です。
導入はGitHub Releaseから行います。
QuotaTempo-0.1.0-rc.19-macOS.zipとSHA256SUMSを同じフォルダへダウンロードする- ターミナルでそのフォルダへ移動し、
shasum -a 256 -c SHA256SUMSを実行する OKを確認したら、FinderでZIPをダブルクリックして展開する- Finderで
QuotaTempo.appをApplicationsへドラッグする - ApplicationsからQuotaTempoを開く
配布ZIPはDeveloper IDで署名され、Appleのnotarizationを通したものです。
それでもmacOSが拒否した場合は、Gatekeeperを回避して起動せず、Releaseや日本語ガイドを確認してください。
開発中には、ダウンロード後のアプリをApplicationsへ正しく移す前に起動し、App Translocation上で動いていたことがありました。
最終確認では、別のMacで公式Releaseから取り直し、FinderでZIPを展開してApplicationsへ移したあと、Applications内のQuotaTempoを開いています。
失敗を消して成功手順だけを書くのではなく、Finderを使う理由まで残した方が、同じところで迷いにくいと考えました。
CodexとClaudeでは表示条件が同じではない
QuotaTempoは、CodexとClaudeを同じ見た目にそろえます。
ただし、取得元や表示条件まで同じではありません。
Codexでは、Macにある公式Codex appまたはCLIの認識済み経路から、必要なrate-limit metadataを限定して読みます。
Claudeでは、Claude DesktopやClaude CodeがMacに残す認識済みのusage情報だけを扱います。
Claude Desktopだけでは、週間残量が見えても、確認済みのreset時刻を得られない場合があります。
その場合、目標ペースPは「Reset time unavailable」となります。Claude Codeを一度使うことで、対応するローカル観測が作られる場合があります。
取得できない値を、もっともらしく補う設計にはしませんでした。
現在値の更新待ちはW?、限定条件で推定した計画はP≈のように、確定値と同じ表示にしないようにしています。
provider側のinterfaceやローカルデータ構造は、将来変わる可能性があります。
認識できない形になったときは、古い値や推測で正常に見せず、利用できない理由を表示して止まる方を選んでいます。

利用状況を外部へ集めない設計にした
利用枠を扱うアプリだからこそ、何を読んで、何を残さないかを先に決めました。
公開しているPrivacy文書のとおり、QuotaTempoには独自のtelemetry、analytics、account system、広告識別子、remote license check、運営serverがありません。
providerの認証情報、ブラウザCookie、Keychain、prompt、transcript、session本文は読みません。
raw provider responseも保存せず、表示に必要な正規化済みの状態だけをMac内へ保持します。
ただし「ローカルアプリだから、関係する通信がすべてゼロ」という意味ではありません。
QuotaTempoが利用するprovider側processは、それぞれOpenAIやAnthropicの仕様・規約・通信動作に従います。
diagnosticsをIssueへ添える場合も、個人のquota値やreset日時、credential、prompt、transcript、private pathは送らないでください。
Public Betaのfeedback formも、それらを求めない形にしています。
安全性を「何も起きない」という言葉でまとめず、アプリが扱う範囲とprovider側の範囲を分ける。
ここは、公開後も崩さないルールです。
まず7日間、判断が変わるかを試す
QuotaTempoを入れたら、何度も数字を見に行く必要はありません。
まずは7日間、1日1回、できれば同じ時刻に確認するくらいで十分です。
記録するのは個人のquota値ではなく、その日の判断だけにします。
- 前倒しできる
- ほぼ予定どおり
- 今日は抑える
- 例外として優先する仕事がある
その横に、実装、調査、レビュー、記事制作など、その日に行ったAI作業の種類を一言だけ残します。
7日後に見たいのは、利用量が何%減ったかではありません。
残量だけを見ていたときより、重い作業を始めるか、別の日へ回すかを決めやすくなったかです。
僕自身も、このPublic Betaで結論が出たとは考えていません。
週間ペースを見せる考え方が実際の仕事に役立つか、どこで表示が分かりにくいかを、使いながら確かめる段階です。
QuotaTempoはAIを増やす道具ではなく、配分を考える道具
CodexとClaudeを使えることと、週の仕事を安定して配分できることは別でした。
残量だけを追うと、少なくなったときに慌てます。
現在の目標ペースと比べると、使う、抑える、例外を認めるという判断に理由を持たせやすくなります。
QuotaTempoは利用枠を増やしません。
quotaを迂回せず、promptを振り分けず、providerの選択も代行しません。
見せるのは、残っている週間容量と、今の目標、その差だけ。
最終判断は、今日の仕事を知っている人が行います。
Public Betaには利用期限を設けておらず、開発は今後も続けます。
一方で、自動更新はなく、正式版の時期、追加機能、将来の提供形態や価格は未定です。更新はGitHub Releasesで確認してください。
まず7日だけ使い、判断が変わったかを見てください。
うまく動かない場合は、個人の利用量や内部情報を添えず、Public Beta feedbackから停止した地点を知らせてもらえると助かります。
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